自民憲法起草委が草案要綱案
7日示された要綱案によりますと、新憲法の前文には、「日本国民は、和の精神をもって国の繁栄をはかり、国民統合の象徴たる天皇と共に歴史を刻んできた」として、新たに天皇制についての記述を設けるほか、「自由、民主主義、人権、平和を基本理念とする国を愛し、その独立を堅持する」と盛り込み、愛国的な精神を反映させるべきだという意見に配慮しています。焦点となっている安全保障では、「わが国の平和主義の原則は不変であり、さらに積極的に国際社会の平和に向けて努力する」としたうえで、自衛のために「自衛軍」を保持する、「自衛軍」は、国際の平和と安定に寄与することができると明記しています。また、天皇制については、天皇を元首と位置づけることは見送り、「現行の象徴天皇とする」としています。また、憲法改正の要件を緩和するため、衆・参両院でそれぞれ全議員の3分の2以上の賛成が必要としている憲法改正の発議を、「過半数」でできるようにするとしています。7日の会議の中で、与謝野政務調査会長は、「意見が分かれているところは、条文でも複数案を作るので、まずはこの案をもとに条文化の作業に入りたい」と述べ、了承されました。(NHK07/07)

 愛国心」は両論併記…教育基本法改正案の要綱案骨子
 政府が提出を目指している教育基本法改正案の要綱案骨子が6日、明らかになった。教育の目標に「公共の精神に基づき主体的に社会の形成に参画する態度の涵養(かんよう)」と明記したことなどが柱だ。焦点の「愛国心」については、自民、公明両党の調整がつかず、「国を愛する」と「国を大切にする」の両論併記となった。
 骨子は前文や教育の目標など18項目からなる。「与党教育基本法改正に関する検討会」(座長=保利耕輔・元文相)の議論を受けて、文部科学省が作成した。
 社会形成への参画は、職業教育充実などを想定している。自民党内に「現行の教育基本法は個人の尊重を強調する余り、社会参加に触れていない」との批判があることを踏まえたものだ。
 「教育の機会均等」では、「障害のある者が十分な教育を受けられるよう、支援すること」と障害者教育への配慮を明記した。また、「教育行政」に関しては、「国・地方公共団体は、必要な財政上の措置を講じなければならない」とした。
 国と地方の税財政を見直す三位一体改革で、義務教育費国庫負担制度の存廃が議論になっているためだ。(読売新聞2005年7月7日)