前原氏会見「改憲、自民と協議」 公明、はや大連立を懸念
 民主党の新代表に選ばれた前原誠司氏(43)は十七日、都内のホテルで就任の記者会見に臨み、憲法改正について「民主党は改正が必要だという立場だ。改正を必要としている政党としっかり議論する中でまとめていく」と述べ、自民党とも協議する考えを示した。憲法自衛権を明記することを持論とする前原氏の代表就任とあって、会見では憲法改正に関する質問が相次いだ。
 前原氏は「私の従来の意見は(侵略戦争を放棄した)一項はいいが、(戦力不保持や交戦権否定を定めた)二項は削除し、自衛権を明記するということだ」と言い切った。
 ただ、党の憲法改正案の下敷きとなる「憲法提言」の取りまとめなど具体的なスケジュールについては言及せず、「民主党として国のあり方について議論を積み重ねる中でまとめる」と述べるにとどめた。九条改正に慎重な旧社会党系グループなどに配慮したものとみられる。
 前原氏は会見では終始、言葉を選びながら話した。菅直人元代表とわずか二票差だったことについて「それだけ多くの方々が菅氏を応援されたことはしっかり受け止めなくてはならない」と述べ、挙党態勢づくりに配慮していく考えを強調した。一方で党人事について「党内グループのバランスをとる考えはない。適材適所だ」と述べ、中堅・若手の登用に含みを持たせた。
 日本経団連からの献金について「自民党を支持し、われわれから見れば偏った評価をしている団体から献金をもらうべきではない。再検討したい」と述べ、献金を辞退する考えを表明した。ただ、企業献金については透明性が確保され、利益誘導にならないという基準を満たせば従来通り政治献金を受けるとの考えを示した。
 前原氏の代表就任について、現行憲法に新たな条文を加える「加憲」を唱えながらも、憲法改正の動きが加速することを警戒する公明党からは「大連立になるのではないか」と懸念する声が早くも漏れている。(産経新聞

 当選者の72%が9条改正に賛成 民主ばらつき、自公に溝
 衆院選の当選者アンケートによると「全面的な憲法改正に賛成」が46.7%で最も多く、「9条も含めた部分的な改正に賛成」の25.4%が続いた。戦争放棄と戦力の不保持を定めた9条改正派は合計72.1%で圧倒的多数派となった。
 党派別にみると自民党は回答した206人中、133人が全面改正に賛成、54人が9条を含む部分改正に賛成し、「9条以外の部分的な改正に賛成」と「改正反対」は合計わずか7人。
 民主党は30人が全面改正賛成で、9条を含む部分改正賛成は23人。9条以外の部分改正に賛成が18人、改正反対が6人、「どちらとも言えない」も17人おり、ばらついた。公明党は全面改正派は1人もおらず、自民党との立場の違いが明確になった。
 首相の靖国神社参拝について賛成は32.3%で大半が自民党。「現時点での参拝に反対」「反対」は合わせて47.2%で、慎重な対応を求める声が多かった。
 集団的自衛権行使に関しては「認めるべき」が16.6%。「地域や目的を限定した上で認めるべき」が47.2%、「認めるべきでない」は18.5%だった。(09/13 共同)