学力低下について、いくつかの新聞ではイギリスのサッチャー政権時代の教育改革を見習えと書いてあったが、なんだか保守主義者のご都合主義のうさん臭さを感じてしょうがなかったが、それに対抗するコラムが毎日新聞にあった。

 発信箱:資産としての福祉
 福祉は人間をなまけものにする。1980年代の新保守主義の経済学はそう教えた。とんでもないデタラメだった。
 福祉国家フィンランド経済協力開発機構OECD)の03年度学力テストの科学的活用力で韓国や日本を抑えトップだった。世界経済フォーラム04年調査でもフィンランドは2年連続で競争力トップだ。米国、スウェーデン、台湾、デンマークノルウェーと続く。高福祉の北欧諸国が多い。
 税金と社会保険料の所得に占める割合を国民負担率というが、日本は02年度36%。日本はこの先増税と保険料引き上げが避けられない。なんとか50%以下にしたいものだと深刻な顔をしている。しかし、フィンランドは65%、スウェーデンデンマークは75%だ。
 フィンランドは携帯電話で世界一のノキアが有名だが、なべて北欧は衰退するどころか、経済が活性化している。フィンランドの場合、90年代初頭に構造不況に陥ったが「産官学」の連携でIT国家に作り替えた。
 北欧諸国にとって、福祉は経済発展の足かせでなく実は資産であった。老後が心配だと人は守りを優先して創造性の発揮どころでない。福祉で生活が安定していると、後顧の憂いなく冒険ができ社会が活気づく。そういうことらしい。
 残念ながらこれはマネができない。福祉国家は国民が国家を深く信頼していないと成立しない。しかし、日本人は北欧の人々のようには国家を信じられないのである。
 あの政治家と官僚! 彼らに大事な虎の子の7〜8割もわたして、老後を託す気になれますか?(論説室・潮田道夫)毎日新聞 2004年12月17日 0時11分

 あと、人間に当てはめられるかどうか分からないが、子どものしつけで参考になるかな…。朝日新聞の多摩版より。

 多摩の稲垣さんしつけ王に TV番組で優勝
 多摩市鶴牧の「わんにゃんワールド多摩」で、犬のショーを担当している稲垣亜衣さん(25)=写真=がテレビ番組のTVチャンピオン「ダメ犬しつけ王選手権」で優勝した。厳格なしつけ法の前回王者らに対し、ほめることに徹し、強敵3人を抑えた。
 飼い主から「何とかしてほしい」と応募があった犬を10日間訓練し、名犬への変身ぶりを競った。稲垣さんは専門学校で犬の看護を学んだが、訓練の経験はショーを担当してきた6年間だけ。ほめることを基本にしたふだんのやり方が「競技に合っていた」と話す。
 職場では、約100種300匹の犬に囲まれる。顔と名前、性格をほとんど覚えているという。総勢約100人のスタッフの副園長だ。(12/17)