東京新聞の社説から…

 読解力低下 とにかく本を読もう
 経済協力開発機構の学習到達度調査で明らかになった日本の高校生の読解力低下は、社会生活全般を支える力のレベルダウンだけに深刻だ。読書の習慣を身につけるなど地道な努力が必要である。
 この調査は二〇〇〇年にスタートし、以後、三年ごとに行われている。対象は義務教育の終了段階に当たる十五歳の生徒で、日本では高校一年から抽出している。
 今回公表されたのは、〇三年の実施分だ。経済協力開発機構OECD)に加盟している国など計四十一カ国・地域から約二十七万六千人が受験。わが国からは国公私立の百四十三校から四千七百人が参加した。
 分野は「数学分野の応用力」「読解力」「科学分野の応用力」など四つ。日本の結果は数学が六位、科学が二位で、いずれも一位と統計学的な有意差はなく、トップグループとの位置づけである。
 問題は読解力だ。前回は八位で二位グループだったが、今回は十四位と大幅に順位を落とし、OECDの平均と同程度となってしまった。
 読解力は国語という教科の範囲にとどまらない。数学や理科にしても日本語で書かれた設問の意味が理解できなければ正しく答えられない。
 読解力を含む国語力の低下は、すでに大学にも及んでいる。独立行政法人メディア教育開発センター」の小野博教授らの調査によると、中学生レベルの国語力しかない学生が国立で6%、四年制私大で20%、短大で35%にも上ることが分かった。五年前の調査と比較すると、いずれも大幅に増えており、授業に支障が出ているケースもある、という。
 読解力の低下はなにも学園生活に影響するだけではない。社会に出ても、印刷物を読んで仕事の内容を把握し、順次進めていくことはいくらでもある。その力が落ちているとなると、ことは重大である。
 読解力低下の背景には何があり、いったいどうすればいいのか。
 若者の間では、携帯電話やインターネットによるメールでの意思の疎通が増えている。おのずと短文でのやりとりが主流となり、長文に触れる機会が少なくなっているから、との指摘がある。一面を言い当てているかもしれない。
 しかし、なんと言っても読書習慣の欠落が響いてきた、と思う。文化庁の調査では高校生以上の日本人のうち一カ月間に一冊も本を読まない層が三人に一人強いる、という。
 学校の始業前に、児童・生徒に本を自由に読ませ効果を上げているところがある。いわゆる朝読書である。試みる価値は十分にある。

 まず根本的に疑問なのは、ただ読書をさせれば、読解力がつくのか。競争させれば、学力がつくのか。そして、学力がついたからといって、何になるのか。ということである。
 昨日も書いたが、このランキングを見る限り、少なくとも上位にアメリカもイギリスもドイツもフランスもイタリアも出てこない。これは何を意味しているのだろうか。

 8割が「処女懐胎本当」 米国民の信仰浮き彫り
 【ニューヨーク5日共同】新約聖書のキリスト降誕の話で聖母マリア処女懐胎を信じている人は、米国民の79%、キリスト教徒では87%に上ることが米誌ニューズウィーク(電子版)が5日報じた調査で分かった。
 反対に「信じていない」と答えたのは米国民のわずか15%で、クリスマスを目前にした季節的な調査ながらも、米国民の「信仰の深さ」があらためて浮き彫りになった。
 同誌によると、キリスト生誕を祝福するため「東方の3博士」が訪れた話など、新約聖書の話を歴史的に正しいとみている人は米国民の67%(キリスト教徒では75%)に上り、「キリスト教信仰を肯定するためにつくられた神話」との見方は24%にすぎなかった。(共同通信) - 12月6日9時11分更新

 そんな国に何の疑問もなく、何処までもついて行こうとする日本ってなに?学力とか読解力とか言っている場合か。