警察の不祥事

 警察の不祥事が…

 山形県警で少年事件350件放置、236件時効に

 山形県警山形署の生活安全課が被害届を受けた軽微な少年事件100件以上を適正に処理をしないまま放置していた問題で、放置件数は348件に上ることがが2日、県警監察課の調べで分かった。
 県警は同日、当時の担当者や上司ら9人を本部長注意などの内部処分にした。
 調査結果によると、放置されていたのは、1985年から2000年に被害届を受理した万引きや自転車盗など。罪が成立しない89件を除いた259件のすべてで少年が成人し、236件は時効となっていた。家裁での審理はできないが、県警は事件を山形地検書類送検する方針。異動の際の引き継ぎの不徹底などが原因で、もみ消しなどはなかったとしている。
 また、余目署でも2件が放置されていたことがわかった。
 署内の書庫やキャビネットで今年9月、事件の関係書類が放置されているのが見つかり、県警が緊急に調査していた。(読売新聞) - 12月2日12時3分更新

 4費目すべてで不正執行 道警裏金で監査最終報告案

 北海道警の裏金問題で道監査委員は1日、1998−2003年度の捜査用報償費、旅費、交際費、食糧費(いずれも道費)の監査の結果、4費目すべてで不正な執行があったとする内容の最終報告案をまとめた。正式決定した上で3日に高橋はるみ知事に報告する。
 道警は11月22日に公表した内部調査の最終報告で、国費の捜査費や、報償費と旅費について不正執行を認め、約7億1500万円の返還を表明したが(1)交際費の不適正執行はない(2)食糧費も2部署以外は適正だった−−としていた。
 監査委員は、結果に食い違いが生じているため、今後、道警側に不正執行分の使途と金額の点検をする確認監査を行う。最終的な返還額が確定するのは来春以降にずれ込む見込みで、返還額が増えることも予想される。(共同通信) - 12月2日0時14分更新

 「自浄作用ない職場」 監査委員が道警を批判

 北海道警の裏金問題を監査している道監査委員が、最終報告案で道警の姿勢について「自浄作用が働かない職場環境」と指摘していることが2日、分かった。監査への非協力的な態度を挙げ「十分な検証ができず、誠に遺憾だ」とも批判している。
 芦刈勝治道警本部長はこれまで裏金問題について「自らの問題は自ら解決する」と表明。11月22日に内部調査の最終報告を公表したが、監査委員はこうした道警本部の対応を不十分なものと否定した格好だ。道監査委員は3日、高橋はるみ知事に報告する。(共同通信) - 12月2日14時分更新

 不正額は道警調査の2倍余 道費分で監査委員指摘

 北海道警の裏金問題で、道監査委員が1998−2003年度の捜査用報償費や旅費など道費分(4費目)について「執行の事実がない」「執行の事実が確認できない」などとして返還対象に含めた金額は計約5億円に上ることが2日、分かった。
 道警が内部調査で自主返還を決めた国費と道費の不正支出額は計約7億1500万円で、そのうち道費分は約2億円。監査委員の数字は道警の2・5倍になり、今後、道警の内部調査の信ぴょう性が焦点になる。
 監査結果によると、報償費、旅費、交際費、食糧費のすべての費目で不適正な会計処理があった。「執行の事実がない」「公費で支出できない」とした額は約2億6000万円。「確認できない」とした「灰色」の額も約1億9000万円になった。
 「執行の事実がない」「執行の事実が確認できない」などと認定した以外でも、旅費で実際に申請者に支払われたものの額が少なく、残りは上司が受け取るなどした分が約5000万円あった。
共同通信) - 12月2日20時36分更新

 兵庫県警が163人処分 自ら隊の捜査書類偽造

 兵庫県警自動車警ら隊員による捜査関係書類の偽造問題で、県警は1日、自転車盗の被害届をねつ造し摘発実績を水増しするなどしたとして、虚偽有印公文書作成や業務上横領などの疑いで元隊員計13人を書類送検。不正に関与した隊員を免職にするなど計163人を処分した。
 内訳は、書類送検された13人を含め不正行為に関与した隊員24人が免職や停職、減給の懲戒処分。121人が本部長訓戒。このほか監督責任として前隊長の警視(57)ら2人を減給(100分の10、1カ月)とし、前地域部長の警視正(59)ら16人も本部長訓戒などとした。
 昨年末の不正発覚を受け県警は特別捜査チームを設置。2002年1月から今年7月まで同隊が事件処理した書類約1万500件を調査した結果、この間に在籍した隊員の半数近くが偽造に関与したことが判明。隊内の慣例だった組織的な不正行為が浮き彫りになり、空前の大量処分となった。(共同通信) - 12月1日20時16分更新

 兵庫県警の捜査書類偽造:ノルマ達成に書類229件−−163人を内部処分
 ◇自動車警ら隊13人書類送検

 兵庫県警は1日、虚偽有印公文書作成・同行使、有印私文書偽造・同行使などの容疑で元自動車警ら隊員の現職警察官13人を書類送検し、監督責任を含め計163人を懲戒、訓戒処分などにした。
 昨年12月、自動車警ら隊員が検挙した自転車盗事件の引き継ぎを受けた署員が、書類に記載された被害者に連絡が取れないことに気付き、不正が発覚。監察官室の調査で、同様の偽造が多数判明した。今年4月、特別調査チームを編成。県警は9月、人事異動で同隊隊員の9割を刷新した。
 調べでは、書類送検された13人のうち、12人(巡査長−警部補)は、01年11月〜03年10月、自転車盗を検挙した際、所有者が不明だったり、連絡が取れなかったにもかかわらず、架空の被害者名で被害届や「領置調書」を偽造、計18件の微罪処分手続きなどをした疑い。また、別の巡査部長(40)は、所有者不明の自転車1台を同僚に譲り渡した業務上横領の疑い。全員、容疑を認めているという。
 県警監察官室は、主導的立場だった巡査部長(44)を懲戒免職、残る12人を停職3カ月−減給の懲戒処分にした。虚偽書類は、01〜04年に捜査書類18件、隊内報告書211件の計229件に上ることも判明した。
 相浦勇二・警務部長は会見で「検挙の数値目標にこだわるあまり、実績水増しに走った」と、ノルマが背景にあったことを認めた。関係者によると、3交代制による月平均10回の勤務(実働16時間)で、パトカー1台当たり8件の検挙が事実上のノルマとなり、達成できないと翌月に積み増されたり、反省文を書かされることもあったという。【村元展也、稲垣淳】毎日新聞 2004年12月2日 東京朝刊

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 捜査書類ねつ造/これは明らかに犯罪だ(神戸新聞2004/07/01)

 兵庫県警は病み、危機状態にあると、いわれても仕方ないのではないか。
 県警自動車警ら隊の隊員らが、自転車やバイクの盗難事件で被害者をでっちあげるなどし、虚偽の捜査書類を作っていたことがわかった。書類の偽造は昨年、一昨年の二年間で二百件以上、不正に加担した隊員は、五十人以上いるとみられる。
 この種の窃盗事件は一般に軽微なものとして扱われる。被害者や所有者が分からないことも少なくない。被害者不詳では窃盗にならない。そこで、所定の書類に架空の被害者名を書き込んでいた。もっともらしく見せるのに市販の三文判を買い集め、捺(なつ)印していたというから、悪質だ。
 驚いたことに、こうした不正はきのう、きょうのことではないらしい。十年も前から行われていたという話もある。本紙が伝えるところでは、架空の被害者を仕立てた書類をつくることを「おつくり」、隊員たちの手柄のように装うことを「おもらい」と呼んでおり、常態化していた。
 いうまでもなく、これは犯罪である。それを冗談まじりに話し、まったく恥じるところもない。警察への信頼を自ら損ねる。あきれた話だ。
 組織ぐるみで半ば慣行化したのは、軽微といえ事件があったことは事実であり、多少の情報操作は許される、といった権力の思い上がりだろう。県警内には、同情論のようなものもあるようだ。だが、そうした思い上がりと感覚のマヒが、時に警察の暴走やえん罪を生む背景となったことを忘れてはならない。
 職場の幹部がいさめたことで、不正が一時期、やんだこともあったという。それも上司が代わると元のもくあみに戻った。よく指摘される悪しき検挙主義が、是非の判断も狂わせたということだろうか。
 日本の刑法犯は、年間三百万件に達する勢いで、増え続けている。検挙率は20%前後と低い。外国人犯罪も増加し、警察官増員の理由にもなっている。だが、こんなでたらめが通るようでは警察が発表する数字を疑ってかからねばならなくなる。
 警察は閉鎖性の強い組織であり、一点の曇りもない厳正な捜査が求められる。目に見えないところで何をするか分からないということになれば、信頼は保てない。
 ここ数年の不祥事続きで兵庫県警は何度も出直しを誓ってきた。その舌の根が乾くか乾かないうちに、また、不正があったでは済まない。関係者の厳正な処罰はもちろん、不祥事の背景を徹底的に明らかにし、県民が納得のいく説明を求めたい。

 よく刑法改正の根拠として、犯罪の増加があげられるが、それを管理し発表している警察がこの状態では、その数字自体が怪しくなってくる。裏金作りで明らかになったように、犯罪を取り締まるべき警察が犯罪者であるとは…。
 「自分の後ろめたさや、責任を隠すために、必死に少年犯罪や外国人犯罪の危機を強調しようと数字を操作している」と見られてもしょうがないだろう。