岐阜5人殺害初公判、被告が罪状認める
 岐阜県中津川市の自宅で母親や生後間もない孫ら親族5人を殺害し長女の夫も殺害しようとしたとして、殺人罪などに問われた同市の元老人保健施設事務長、原平被告(57)の初公判が1日、岐阜地裁(土屋哲夫裁判長)であり、原被告はすべての起訴事実について「間違いありません」と認めた。
 検察側は冒頭陳述で動機について「原被告は、母親が妻(56)を泥棒扱いするなど恒常的に悪口を言ったり、自分への嫌みを言うことで腹を立てた」と指摘。
 妻を殺害しなかったことについて原被告は「愛しているし、これまで自分を支えてくれた」と説明。「母を始末して、妻に男らしいところを見せたかった」と述べたという。また2003年ごろ、母親に腹を立て、首を絞めそうになり「いつかは殺してしまう」と思うようになったことを明らかにした。
 今年1月には母親が郵便局で局長をなじっている姿を見て「被告は『もう限界だ。こんな母親とは一緒に生活できない』と思い殺害を決意した」と経緯を説明した。(共同)

 一家5人殺害:原被告、初公判で起訴事実認める 岐阜地裁
 岐阜県中津川市で今年2月に起きた5人殺害事件で、殺人などの罪に問われた同市坂下、元同市職員、原平被告(57)の初公判が1日、岐阜地裁(土屋哲夫裁判長)であった。原被告は「間違いありません」と起訴事実を認めた。また弁護側は「責任能力については今後、検討したい」と述べた。
 検察側は冒頭陳述で、原被告が小学生のころから厳格な母親を恐れ、99年ごろに同居を始めてからは母親が妻の作った食事を拒否するなど妻への嫌がらせをエスカレートさせたと指摘。「(原被告は)プライドが高く、母親に何も言えない自分への自己嫌悪に陥った。母親を殺害して自分も死に、男らしい自分を妻に見せたいと思った。他の家族については、不幸な人間を残さないことが始末の付け方と考えた」と動機を明らかにした。
 起訴状などによると、原被告は2月27日午前7時半過ぎ、自宅で睡眠中の母チヨコさん(当時85歳)と長男正さん(同33歳)の首をネクタイで絞めて殺害。その後、近くに住む長女宅へ行き「母が孫に会いたがっている」と長女の藤井こずえさん(同30歳)、孫の孝平ちゃん(同2歳)と彩菜ちゃん(同生後3週間)を自宅へ連れ帰り、正午過ぎに3人の首をネクタイで絞めるなどして殺害した。さらに自宅へ呼び出した長女の夫の腹部を包丁で刺し軽傷を負わせた。
 原被告は包丁で自分の首も刺したが命は取り留めた。原被告の妻は事件当日、友人と旅行に行っており無事だった。
 検察側は4月、原被告の供述内容に不整合な面もあるとして簡易精神鑑定を実施。責任能力を問えると判断したが、弁護側は閉廷後、「検察側の簡易鑑定は時間が短く非常に不十分。精神鑑定を求めていく」と話した。【中村かさね】(毎日新聞2005年7月1日)

 原被告、初公判で事実認める…中津川家族6人殺傷
 岐阜県中津川市で今年2月に起きた家族6人殺傷事件で、殺人と殺人未遂の罪に問われている元同市老人保健施設事務長の原平被告(57)の初公判が1日、岐阜地裁(土屋哲夫裁判長)であった。
 罪状認否で、原被告は「間違いありません」と起訴事実を全面的に認めた。弁護側は原被告の精神鑑定を求める考えを明らかにした。
 冒頭陳述によると、原被告の母チヨコさん(当時85歳)はしつけが厳しく、2人は原被告が中学生のころから、ほとんど口もきかない関係になっていた。チヨコさんは6年前に2度目の同居を始めたが、原被告の妻(56)にいじめや嫌がらせを繰り返し、犯行の1か月前には近くの郵便局でトラブルを起こしたため、原被告は「ついに他人にまで迷惑をかけるようになった」と悩み、チヨコさん殺害を決意。残された家族に迷惑がかかるとして無理心中を計画した。
 妻を殺害しなかった理由については「(母親に)よく耐えてくれた」と述べた。
 原被告は2月27日、自宅で長男(同33歳)とチヨコさんを絞殺したうえ、近くに住む長女(同30歳)と孫2人(同2歳と生後21日)を自宅に誘い、殺害。長女の夫(40)を包丁で刺して2週間のけがを負わせ、自らも首を刺して自殺を図っていた。(読売新聞社:2005年07月01日)

 「親、自分にだけ厳格」 平戸妹殴打 中1兄、不満募らす
 長崎県平戸市で中学一年の少年(12)が妹をバットで殴打した事件で、平戸署に補導された少年が、調べに対し「殺すつもりだった」と話したうえで、動機について「親が自分にばかり厳しく、妹に甘かったので、ずっと不満に思っていた」という趣旨の発言をしていることが、分かった。同県佐世保児童相談所は三十日、「妹に重傷を負わせる重大事件。強制措置が相当」との意見書を付け、少年を長崎家裁佐世保支部に送致した。
 同支部は観護措置を決定、少年を長崎少年鑑別所に収容したとみられる。同支部は今後、動機や背景を調査し、審判するかどうか判断する。
 少年は十四歳未満のため、法令に触れる行為をしても、刑法四一条(責任年齢)により罰せられず、児童福祉法などに基づいて処遇される。
 佐世保児童相談所によると、同相談所の職員三人が同日午前、平戸署内で約一時間、家庭や友人関係などについて質問。その際、少年は妹の小学六年女児(11)に重傷を負わせた事実を認め、「妹がけがをしたことをどう思うか」との問いに涙ぐむ場面もあった。
 また、同相談所は、母親からも事情を聴いた。母親は、少年との親子関係について反省の言葉を述べたというが、同相談所は「詳細については話せない」としている。(西日本新聞

 ストレス、殺意に発展か 明徳義塾高3男子
 高知県土佐市明徳義塾高校で、三年の男子生徒(17)が同級生(17)を刺し、殺人未遂の現行犯で逮捕された事件で、男子生徒がホームページ(HP)で一年近く日記を公開、生活のストレスが殺意に発展していく様子を書き込んでいたことが一日、分かった。土佐署もこのHPを確認。生徒の特異な精神状態について分析を進める。
 日記は、男子生徒がオーストラリアに留学していた二〇〇四年八月に始まった。写真や美術に興味を持ち「生き生きと活躍して、周りから尊敬される存在になりたい」と夢を語る一方で「雑談ができない」などと自己批判。「(嫌がらせをした知人を)殺したい衝動を抑えるのに必死でした。私には日ごろから妙な衝動があります」と不安定な心理をのぞかせた。
 十二月に帰国、明徳義塾に復学したが「全然楽しくない」「頭痛持ちになった。ストレスが多いのかな」と記載。
 〇五年四月、三年生に進級したが「精神が崩壊しかけているのが実感できる」「人を見て切り裂きたいと思った」と書き、事件の二日前には「こんな感じの憎悪と殺意は初めて」「思い付く限りの残酷な手を使いたい」とエスカレート。事件前日の最後の日記では「『明日こそ』にならないように、ちゃんと殺そう」「殺すことだけを考えろ」「人間をやめてしまえ」などと書き連ね、「もう会えないかもしれませんね」と締めくくった。(東京新聞

 文科省、重大少年事件多発対策でプロジェクトチーム
 山口県立光高校での爆発事件など重大少年事件の多発を受け、文部科学省は1日、省内のプロジェクトチームで子どもの問題行動に関する対応策を検討することを明らかにした。6日に第1回会合を開き、8月中にも対策をまとめる。
 チームは近藤信司文部科学審議官を主査とし、関係各局の課長ら計10人で構成。昨年6月、長崎県佐世保市で小六女児が死亡した事件を受けて設置したプロジェクトチームを再開する形をとる。同チームが昨年秋にまとめた重点対策の効果などを検証した上で、追加的な対策を検討する。
 これに関連して、中山成彬文部科学相は同日の閣議後記者会見で「(事件の多発が)世代的な問題なのか、連鎖反応なのか。色々と調査研究してみたい」と述べた。(日本経済新聞)